まごころ 真実 雄大さ 本当に大切なもの
はじめまして
あらたに再びホームページを開設致しました。どうぞ宜しくお願致します。
病気には生活習慣により起きている物理的な病気と心の問題が原因で起きている精神的な病気の二通りがあります。
生活習慣によって起きている病気の場合には、体質的に冷え性で、体に熱量の少ない体質と逆に体に熱量が多い充血症の体質の方が居られます。
体質的に冷え性の方は体に陽気、つまり熱量が足りません。こういう方は、食事を規則的に一日三回することによりエネルギーをきちっと補うことから始めなければなりません。
食事をするのを忘れていたとか食欲がないという理由では改善致しません。その中でミネラル・ビタミンの含有量の多い食事をしなければなりません。その上で体を温めるものとか食欲の出る漢方薬を服用すべきであります。
体に熱量が多い充血症の体質の方は陽気、つまり熱量が多すぎるため、その熱を除く為に病位の位置により発汗させるとか、薬で冷やすことにより除くか、下剤をかけて下の方から除くことをしてバランスをとります。
漢方医学では、病を治癒させる為に「證(しょう)に随って之を治す」という事がありますが、病の原因と病所と病状とを記したものが「證」というものであります。
漢方を用いて病を治することを方治と言います。この方治を行う為には、先ず其の漢方処方の治す為の「證」を悉く知る必要があります。
その「證」に対する処方を使い方證一致させますと、恰も鍵穴の穴に鍵を突っ込んで扉を開けるようなもので、薬と処方が一致するのであります。
病にあわない処方を服用しても何の反応もありません。
今「證」に合わせる漢方処方を見つけるには、思うようにいかない事が多いのであります。
其の一つには病の訴えが多い為に、どれをとったらよい證なのかがわからず迷うことがあります。
其の二つには病の訴えが少なく證として、とらえ難い場合があります。
訴えの多い場合には一番劇しい症状を主證としてとり、訴えの少ない場合には、證として考えにくいときに主たる病状を取り、漢方処方を考えていきます。
方治を行うには、病に陰陽虚実寒熱があることを判っていなければなりません。
陰陽とは病に発する場所があります。上と左と外は陽の位であります。これを陽病とし、下と右と内は陰の位であり、これを陰病といいます
虚実とは病に有余と不足のあることを言います。虚を無とし少ないとします。
実を有とし多いとします。不足は虚に属し有余は実に属します。
故に気の不足は気虚を生じ、気の有余は気実を生じます。血の不足は血虚を生じ、有余は血実を生じます。水穀の不足も虚を生じ、有余は実を生じます。
寒熱とは病に冷えに苦しむものと熱に苦しむものがあります。
虚実は陰病にも陽病にも寒病にも熱病にも存在し、紛らわしく容易に区別することが難しいことがあります。虚の如くして実であったり、実の如くして虚であったりする場合があります。
凡そ漢方処方を選ぶ時に病のある場所を知り、其の気血の有余や不足を知り、その上に病の属する所を知れば方治は為しやすいのであります。
それに先ず発病の原因が大事であります。原因を知ると漢方処方を選びやすくなります。
外気であります風・寒・暑・熱・燥・湿の六邪が原因で病むものがあります。内より発する七情(怒・喜・思・憂・恐・悲・驚)が原因の場合、不内外因(飲食・疲労・不節制・創傷・虫獣傷害・薬物中毒・遺伝)などがあります。
それと病には、新しい病と旧い病があります。其の区別と原因を確かめなければなりません。
新病は病根浅く血気虚していない為に治を為しやすく、旧い病は病根深く血気虚しています。
方治を行う時は、その期節と最初発病した時の期節とをよく考えなければなりません。
期節を重んじる理由は、人は時節の影響を受けて発病する場合が多い為に、人の気は、夏は浮かび、冬は沈み、春は出で、秋は入り、四時運行の気と其の行を倶にするからであります。
春の病は其の本内にあり、その妨げ外に有るものが多く、秋の病は其の本外にあり、その妨げ内に有るものが多いのであります。
このことから発病したる時節は必ず知る必要があります。
方治は常に自然に順う時は宜しく結果が出るのであります。
「参考文献:新古方薬嚢」